テレワークのバカヤロー 地方からの叫び

内閣府の調査(https://www5.cao.go.jp/keizai2/manzoku/pdf/result2_covid.pdf)によると、テレワークの実施率は、2020年12月時点で東京23区が42.8%、地方圏14%、全国平均21.5%だそうだ。

内閣府「第2回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」調査結果より

筆者は地方の中小企業勤務なので、地方圏14%というのは実感として高いように感じる。
地方でテレワークをしているのは主に次の2種類の企業だ、と思う。
・その地方の大きな企業
・全国展開している企業の地方支社


そのどちらでもない筆者の勤務先は当然テレワークなど望むべくもなくである。
全国に緊急事態宣言が出た2020年5月の一ヶ月弱はさすがに少しだけテレワークができたが、
テレワークにしてくれと会社に掛け合ったら露骨に嫌な顔をされたのを思い出す。

そんなこんなで地方では1割位しかテレワークを実施していないというのが筆者の感覚だった。
この調査は2020年末なので、現在はもう少し減っていそうだ。

それにしてもニュースなどでテレワークが当たり前、これがニューノーマル!ばかりやってるのは何とかならないのだろうか。上述のようにテレワークなど「は?」みたいな状況の地方にいると、ワールドビジネスサテライトやらで
連日そんなニュースばかりやっているのでイラッとすることが多い。

総務省統計局のH27年都道府県別人口を見ると<https://www.stat.go.jp/data/nihon/02.html>、人口が全国で約1億2700万人、東京都が約1300万人、つまり約1割だ。
また、内閣府による2018年のGDP<https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2021/qe211_2/gdemenuja.html>は約556兆円、同じく内閣府の2018年県内総生産(東京都)<https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kenmin/files/contents/main_2018.html>は約104兆円、つまり約2割だ。
ということは、人口的には約1割、経済的には約2割の界隈での動きを連日ニューノーマルとして報道しているわけだ。
一国の首都がー、経済の中心地がー、などの要因もあるとは言え、そこから見えるのは地方の不在だ。
地方の政治家は地域経済活性化や地方を元気に、みたいなことをよく言うが、そんなものが虚しい号令であることがよく分かる。

それで、問題は日々のニュースに接していると先述のように針小棒大とまでは言わないが、非常に偏った見方というか、ニュースやネットの記事が全てのように感じられてしまうことにある。
実際は1割の人にしか影響がないのに、世の中全部そんな風に見えてくる。
東京の流れが何年か遅れで地方に来ると考えれば、「やがて行く道」なのだけれど、ICTが進歩してもそこで働く人の意識が変わるには時間がかかるのだ。特に地方はそうだ。
とは言いながら、これだけ世間でニューノーマルニューノーマルと言ってくれれば、地方の中小企業の経営者もテレワークにしないとさすがにまずいと刷り込まれるだろうから、昔より時間は掛からないと思いたい。いや、息子に世代交代が先かな。

我々社内SEは日々ICT関連の最新の情報を調べている。海外の事例なども手軽に手に入るようになった。
そんなこともあって情報セキュリティが企業の存続を脅かしかねない非常に大きなマターであることを知っている。
日々情報セキュリティの情報に接していると、情報セキュリティに投資しないという選択肢などありえないことがわかる。
だが、それは必ずしも世間の感覚とは一致しない。

我々社内SE、システム担当にとっては死活問題の情報セキュリティだが、特に中小企業においてはそんなものに投資したくないという経営者も多い。
そんな得体のしれない費用対効果も分からないものよりも営業数字こそが大事、という訳だ。分かりやすいからね。

目眩がしてくる話だが、実際にそれで回っている企業も多く存在するのだ。
未だにwindows7、下手したらXPを使ってみたり、ウイルス対策ソフトもなしで使ってみたり。もう悪夢である。それでも現金があれば企業というものは意外と生き延びられるものだ。

結局これも先の話と同じで、我々が日々見ている情報セキュリティの世界の動きもあれば、それとは別の世界もあるということだ。

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